地域SNSに感じた「小さな引っかかり」

 地域SNSに関して、こんな記事が。

それは,行政関係者が立ち上げたと思われるコミュニティには,「コミュニティメンバーにのみ公開」という設定になっているものが多いということだ。一方,市民が作ったコミュニティは,「インターネットに公開」か「SNSメンバー全員に公開」という設定が多かった。このような状況に対して,私はどうにも「引っかかり」を感じてしまったのである。そこで,この違和感はどこから来るのか,いろいろと考えをめぐらせてみた。  もちろん,「コミュニティメンバーにのみ公開」という設定でコミュニティを作っても,地域SNSの規約上はまったく問題はない。そうしたコミュニティが必要な場合があることも理解できる。しかし,「単なる閉鎖的な空間でなく,他の地域との交流や外部に対する情報発信もできるオープンなシステムを目指している」という地域SNSを作っておきながら,その主催者である自治体や行政関係者が作るコミュニティは,(全部ではないが)“内”に閉じたものばかり…という状況は,「ちょっと違うんじゃないか?」と思ってしまうのだ。

 掛川の地域SNS、e-じゃん掛川ではどんな情況か、改めてコミュニティ一覧を眺めてみることに。


 確かに参加に承認が必要なコミュニティは、行政の、それもIT系のものが多いと言った感じ。
 ただ、IT関連以外の、行政が主体になっているようなコミュニティは、ほとんど無い。
 そうしてみると、確かにちょっとした引っかかりは感じてしまう。
 そういった目で見てみると、メンバーのプロフィールで職業:市職員という人が一人も見つからない。

「マニフェスト」の仕掛け人であり,元三重県知事の北川正恭・早稲田大学大学院公共経営研究科教授は,知事時代に『日経パソコン』への寄稿で次のように述べている。  「今まで,行政が独占していた情報を生活者に公開すれば,さまざまな行政の活動に参画できる生活者が増えてくる。そのためには,住民からの情報開示請求を受けて情報を提供する『情報公開』から,意思形成過程も含め,常に生活者と情報を共有できる状態へと変えていくことが必要だ」。

と言う観点で地域SNSの存在意義を見てみると、立場を明かしてそれに沿った情報を公開、という使い方があっても良いように思うのだが。
 あまり他の地域SNSを覗いたことが無いので何とも言えないところなのだが、こういった情況は掛川だけでなく、他の多くの行政主導の地域SNSでも同様ではないかと言うのは、想像に難くないところ。
 運営側、主体側が上手い地域SNSの使い方を率先してやってみせると言うのは、ネットサービスでは必要なところだと思う。
 と、この記事にあわせて、思ったことを書いてしまったのだが、やっぱりe-じゃん掛川も「参加しているみなさんが,このサイトをとても愛していることがわかる」ようなサイトになることに期待。

コメント

  1. かすがの より:

    う~ん、
    考えてしまいました、、、。
    深先生、いつも考えさせれる内容を濃縮して書いてくださってありがとうございます。勉強になる、とっても。
    本来期待された【地域SNS】には、まだどこもなっていないんだと思うんですよねえ。
    でも、肝心なのは、その過渡期を乗り切るために、旗振る熱い人がいるかどうかということ。
    e-じゃんが「参加しているみなさんが,このサイトをとても愛していることがわかる」ようなサイトになる、、、ためには、さて、誰が熱く旗振るんだろう。

  2. エコキッズ より:

    自治体間の打ち合わせをe-じゃんを用いて行っているものが数多くあります。会議をできるだけ出張せずに行う手段としてもeーじゃん掛川は有効だと思います。1つの会社のみや市役所内の会合ならグループウェアが使えますが、研究会的なものは成果物を公開となるのでしょう。
    用途に応じて公開、非公開を使い分けていただければと思います。

  3. しか225 より:

    遠州地域のブログサイト、ハマゾーは結構SNSに近い発展をしていますね。
    自分は、ブログを通じて 沢山の顔見知りを作り実際 顔を合わせての交流も増えています。
    e-じゃん掛川について言えば、
    「げんらくさん」や「ブログ村」の様なブロガーさんを引き合わせてくれる
    たまり場みたいな物が有ると良い発展をしていきそうですね。
    自分もそんなたまり場を目指して頑張ります。

  4. より:

    それぞれの立場、関わり方、とらえ方があるのですね。
    でも、やっぱりせっかくの地域SNS、もっと有効に使われて、そこから面白いものが生まれてくると良いですよね(^_^)b

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